亡霊怪猫屋敷1958

和田桂之助/北沢典子、中村竜三郎、細川俊夫、五月藤江、芝田新、杉寛、江島由里子

説明

ボウレイカイビョウヤシキ/原作:橘外男。脚本」石川義寛・藤島二郎。音楽:渡辺宙明。監督:中川信夫。佐賀の化け猫をモチーフに現代にまで連なる因縁を描いた新東宝得意の怪談映画。久住助教授(細川俊夫)の妻(江島由里子)が、郷里の幽霊屋敷と噂される建物に移った時から、毎夜老婆の夢を見るようになる。久住は檀那寺の住職(杉寛)から、屋敷にまつわる江戸時代の因縁話を聞かされる。それは、碁のいざこざから殺された男とその母親の怨念が、化け猫となって祟っているというもの。科学者である<わたし>が、結核に冒された妻頼子の転地療養のため、妻の故郷に戻ってくる。途中、車が猫を轢きそうになって崖っぷちで寸止めとなるその恐怖。やがて、いつの間にかロケーションからセットに切り替わって、これから夫妻が住むことになる幽霊屋敷に入っていく。このセットが秀逸。後年、大林宣彦の「HOUSEハウス」(1977年)に登場する荒れ果てた屋敷のイメージの原点は、おそらくこのセットだろう。長い庭先を歩いていると離れで、不気味な老婆(五月藤江)がたたずんでいる。悲鳴をあげる頼子。老婆の姿は妻と観客にしか見えない。中川演出の怖さは、こうした不条理な誰が見てもビジュアル的には怖い老婆をポンと出すところにある。テレビ怪談の傑作「牡丹灯籠 鬼火の巻」(1970年)の盲目のゴゼなどもその好例、白髪の老婆だけで相当怖い。演ずる五月藤江は『九十九本目の生娘』(1959年)、『花嫁吸血魔』(1960年)など新東宝怪奇映画には欠かせない怪女優。彼女の存在だけで<現代篇>の恐怖を生み出しているのだ。なぜ、老婆は頼子に襲いかかるのか? その謎は僧侶(杉寛)の話で明らかになる。映画はここから<時代篇>となり、画面もカラーとなる。物語はようやく「鍋島猫」の因縁話となり、この幽霊屋敷の由来が明らかになる。新東宝封切り館だった豊橋国際劇場の入り口には柳の木やおどろしい看板など怪談映画の盛り上がり設営が子供心に怖い印象が強い。1958年7月15日~21日豊橋国際劇場、併映「怪談乳房榎」。1959年7月1日~10日豊橋国際劇場、怪談大会 併映「東海道四谷怪談」「怪談鏡ケ淵」。【サイズ:B5キネマ旬報広告&ポスター画像】【年代:1958年】