説明
タンゲサゼン1952/原作:林不忘。脚本:菊島隆三、成澤昌成。音楽:深井史郎。監督:松田定次。ご存じ隻眼隻手のダークヒーロー丹下左膳を戦後初めて阪東妻三郎主演で映画化。イメージは「丹下左膳百万両の壺」で柳生藩こけざるの壺争奪戦で阪妻は明るい左膳を演じる。ヒットしたので先輩左膳役者の大河内傅次郎が大映で1953年に二部作で製作される。更に1956年日活で水島道太郎主演で2部作が製作、1958年には東映で大友柳太朗主演で大ヒット、以降シリーズ化される程の人気ヒーロー。徳川八代将軍吉宗(夏川大二郎)は、日光東照宮の改修工事を柳生藩に下命した。小藩の柳生家ではその費用に困窮したが、藩の生き字引の百余歳の一風宗匠が、柳生家では非常時のために莫大な埋蔵金があり、その在り処の地図は「こけ猿の茶壷」に納めてあると言う。その壷は、柳生家の息子・源三郎(高田浩吉)が、江戸に道場を持つ司馬一刀斎の娘・萩乃(喜多川千鶴)の許への婿入りの引出物に持って行っており、源三郎を道場に入れまいとする師範代・峰丹波(大友柳太朗)と一刀斎の後妻お蓮(村田知栄子)は、こそ泥・鼓の与吉(三井弘次)に源三郎から壷を盗ませる。壺を盗んだ与吉は柳生侍らに追われて、トコロテン売りの小僧ちょび安(かつら五郎)にそれを渡す。ちょび安は丹下左膳(阪東妻三郎)と櫛卷お藤(淡島千景)の夫婦に可愛がられ養子になる。その時ちょび安の持っていた壷は、長屋に住む浪人・蒲生泰軒に盗まれるが、左膳は泰軒を斬ってそれを取り戻す。更に幕府の隠密の総師・愚樂(菅井一郎)により再び盗み去られるが、盗まれた壷は偽物で、本物の壷は与吉によってお蓮の許へ運ばれていく展開。50代の剣劇王阪妻の晩年の主演だがスピードにキレがない、大友柳太朗が悪役。阪妻は翌年1953年に死去している。東映時代劇の俳優たちが松竹時代劇に出演。1952年8月21日~8月27日豊橋松竹、併映 西部劇「カンサス騎兵隊」。1953年12月29日~1954年1月2日豊橋千歳劇場、併映「新江の島悲恋」。【サイズ:B5キネ旬広告】【年代:1952年】