世界大戦争

フランキー堺/乙羽信子、宝田明、星由里子、山村聡、白川由美、笠智衆、河津清三郎、中村伸郎、中北千枝子、高田稔、ジェリー伊藤、

説明

セカイダイセンソウ/製作:藤本真澄・田中友幸。脚本:八住利雄・馬淵薫。音楽:団伊久麿。特撮監督:円谷英二。監督:松林宗恵。絵コンテは小松崎茂。連邦国陣営と同盟国陣営との武力衝突がエスカレートして世界中が核戦争となって犠牲となる悲劇を市井に生きる庶民一家(フランキー堺・乙羽信子・星由里子)の姿を通して描く反戦映画。東京が壊滅する特撮場面が秀逸。この年東宝は「モスラ」を8月に公開して芸術祭参加番組として「世界大戦争」を製作公開したが両方の作品にフランキー堺が主演している。従来の近未来SFでは、希望的な未来を描いていたのに対し、本作品ではそれらを否定する結末となっているのが特徴である。僧侶でもある監督の松林宗惠は、あるインタビューで本作品の根底を流れるテーマとして仏教の「無常」観を挙げている。冒頭黒い画面に1分間テーマ音楽のみ流れて「昭和36年芸術祭参加作品」続いて東宝スコープのマーク、そして「世界大戦争」のタイトル。フランキー堺の主人公がラスト近く、夕陽を前にして自宅の物干し場で慟哭する場面がこの映画の本質ともいえる。「俺たちが何をしたってんだ」「母ちゃんには別荘を建ててやるんだ! 冴子には凄い婚礼をさせてやるんだ! 春江はスチュワーデスになるんだ! 一郎は大学に行かせてやるんだ! 俺の行けなかった大学に……!!」、その後各国に核弾頭ミサイルが乱れ飛ぶ、ラストは「この物語は すべて 架空のものであるが 明日起る 現実かも 知れない」「しかし それを 押しとめよう! われら すべてが 手をつないで…」「まだ それが 起らない中(うち)に」とテロップ。宝田明と星由里子が婚約者、山村聰が総理、東野英治郎が船長で笠智衆が味のあるコックで白川由美がその娘で施設の先生。タイトルTOPはフランキー堺と宝田明、二番手に星由里子・乙羽信子・白川由美の女優陣で三番手に笠智衆・ジェリー伊藤・東野英治郎・山村聰と流れて上原謙・河津清三郎・中村伸郎・中北千枝子のベテラン陣が続く。外国人俳優が多数出演して国際色豊かに戦争回避に向けて努力する姿が描かれるが北極海上にて発生した軍用機同士の戦闘をきっかけに再び東西関係が悪化し、世界各地にて武力衝突が発生して世界は救いようのないボタンを押す。2026年の環境にも通じる不都合な世界。星由里子・白川由美が美しい。名作である。110分。2026年7月日本映画専門チャンネルで久しぶりの再見。1961年10月29日~11月14日豊橋東宝、併映「アワモリ君乾杯」。1962年3月26日~3月31日千歳劇場、併映「坊ちゃん社員とぼんぼん社員」。【サイズ:新聞広告不二タイムス&福島京座チラシ】【年代:1961年】