説明
ミイケカンゴク キョウアクハン/脚本:高田宏治 音楽:渡辺宙明 殺陣:土井淳之佑 監督:小沢茂弘。鶴田浩二主演。往年の「監獄博徒」のリメイクイメージ、公開が1973年、既に任侠ブームは去り実録ブームで暗いドラマの印象でしかなくなり約10年続いた任侠映画は終焉する。併映作品で東映における鶴田の扱いと市場への期待が伺える。義理と人情に生きる任侠の結末、情けないのは本人だけでなくフアンもしかり。このポスターは大学時代の下宿の天井に貼ってずっと見上げていた記憶がある。日活専属だった宍戸錠が鶴田のライバル役で出演。宍戸は1970年「網走番外地大森林の決斗」での高倉健に続き鶴田と共演して実録路線に出演。明治末期の三池炭鉱が舞台。囚人役が鶴田浩二、宍戸錠、大木実、伊吹吾郎、北村英三、三上真一郎、南利明、汐路章、佐藤京一、川谷拓三、西田良、国一太郎、阿波地大輔など。対する看守側が安部徹、金子信雄、天津敏、山本麟一、遠藤辰雄、小田部通麿といった面々。囚人たちより、囚人に重労働を強制して私服を肥やす監獄側の方が明らかに凶悪な顔ぶれ。囚人はフンドシ一丁の出で立ち、強面ぞろいの男色の濃い映画だが、女郎役でひし美ゆり子が鶴田を介抱して「掃き溜めに鶴」的に色を添える。小池朝雄のナレーションで実録風な雰囲気を出している。小沢茂弘監督と鶴田浩二のコンビは長いがこの作品では対立したらしく、その影響か鶴田は殆ど台詞がなく不気味な雰囲気。看守の天津敏が好演で印象的。監獄の中は郡司(宍戸錠)と石堂(大木実)が班長をしており、囚人たちの統制をとっていた。寝入った北海常鶴田浩二をドスで襲った郡司の子分・三津田(三上真一郎)が北海常に首の骨を折られて死ぬ。石炭採掘の重労働と絶え間ない懲罰によって生への執着は集団脱走へと囚人たちを決心させる。北海常は一度は脱走に成功するが、捕えられる。監獄側は北海常の命を助ける替りに、抗道を開かすよう北海常に命令した。北海常は立てこもる郡司を説き伏せ、抗道閉鎖を解かせた。札つき揃いの郡司たちの班は、落盤の危険が予知される第一抗が新たに割りあてられた。郡司は囚人たちを裏切った石堂を殺すが、看守長の河津(天津敏)の弾丸を浴び看守小田部通麿に刀で斬られ鶴田に抱かれて死ぬ。その時、落盤が始まり、囚人たちは次々と岩石の下敷きになっていく。囚人たちを虫けらのようにとり扱う看守たち。最後は鶴田の怒りが爆発、奪った銃で次々と看守たちを殺していく。ラストはダイナマイトを持ち金子信雄たちに「俺たちだって血の通った人間だ」と叫びながら看守たちの銃弾を浴びながら爆破して「完」。北海常こと鶴田浩二が眉毛を剃っての熱演はキモいだけでカタルシスは感じられない。さらば任侠。1973年5月12日〜23日豊橋東映、併映「セックスドキュメントモーテルの女王」「女医の愛欲日記」の成人向き。【サイズ:B2】【年代:1973】





