説明
サンニンノナヅケオヤ/原作:ピーター・カイン。脚本:ローレンス・スト―リングス、フランク・S・ニュージェント。音楽:リチャード・ヘイジマン。監督:ジョン・フオード。ジョン・ウェイン主演、ジョン・フオード監督コンビの西部劇。「恵みの光」(19)、「砂漠の生霊」(30)、未公開の36年版に続く、ピーター・B・カインの小説の映画化。銀行強盗の三人組が砂漠へ逃れて保安官に追われ、荒野のド真ん中で、身重の女を乗せた幌馬車に出会う。女は赤ん坊を産み落とすと、三人を名付け親に頼み息を引き取った。三人は赤ん坊を無事に町へ届けようと出発するが、水も無く陽に照らされるだけ彼らの道行きは困難を極める。アクションだけでなく、人情劇にも圧倒的な力量を見せるジョン・フォードが、きめ細やかな人物描写と、西部の光景による心象描写を織り混ぜた逸品。罪を犯した男たちが幼い命を守ろうと旅する中、やがてそれが贖罪の道程へとなる寓意も含めて、実に感動的な造りになっている。“三人”に扮するジョン・ウェイン、ペドロ・アルメンダリス、ハリー・ケリー・Jr(「恵みの光」では父ハリー・ケリーが主演していた)も熱演。ペドロとハリーは旅の途中で死ぬが、二人の思いを受け継ぎ、赤子を抱き、歩き続けるボブを、幻となって現れ励まし続ける。保安官スイートは、三人が姪を殺したと誤解したまま、復讐の念に燃え三人を追うが、精根尽き果てて酒場にたどり着いたボブ・ハイタワーの姿に、彼は、憎悪の念も消え感謝の気持ちさえ湧いた。銀行掠奪の罪は消えず、ボブは自ら名づけ親となったこの赤ん坊をスイート夫人の手に預け、潔く引かれて行く。106分。1954年3月18日~24日豊橋大劇、併映「フェザー河の襲撃」。1953年8月20日~24日豊橋松竹併映「旅路」。1958年3月26日~29日豊橋メトロ劇場、併映「ポワニー分岐点」。【サイズ:B5パンフレット】【年代:1953年】