説明
イチマンサンゼンニンノヨウギシャ/原作:堀隆次。脚本:長谷川公之。音楽:伊福部昭。監督:関川秀雄。1963年に発生した戦後最大の誘拐事件として犯罪史上に著名な「吉展ちゃん事件」の映画化。1963年年3月31日、東京都台東区の建設業者の長男・吉展ちゃん(当時4歳)が自宅近くの公園に遊びに出かけたまま行方不明になる。両親は警察に捜査願を出し、その後警察の聞き込みから誘拐事件と断定される。数度にわたる犯人からの身代金要求の電話の結果、身代金だけが奪われた。捜査陣の必死の捜査にもかかわらず、重要参考人が浮かんだものの決め手を欠き事件解決にならず、一時は迷宮入りかと思われた。事件から2年3ヶ月後の1965年年7月4日、何度も捜査線上に最重要容疑者として浮上していた人物が犯行を自白。翌7月5日吉展ちゃんは南千住円通寺から遺体で発見された。日本初の報道協定が結ばれた事件であり、被害者やその家族に対しての被害拡大防止およびプライバシー保護の観点から、誘拐事件の際には報道協定を結ぶ慣例が生まれた。また報道協定解除後の公開捜査において、テレビを本格的に取り入れ、テレビやラジオで犯人からの電話の音声を公開し情報提供を求めるなど、メディアを用いて国民的関心を集めた初めての事件でもある。原作は堀隆次「一万三千人の容疑者―吉展ちゃん事件・捜査の記録」。脚色は「警視庁物語」シリーズの長谷川公之。事件解決からまだ1年しか経っていないこともあり、展開は時間を追ってドキュメンタリー的に再現されるが、人物の名前は主任刑事・堀隆次→堀塚修(芦田伸介)、小原保→小畑守(井川比佐志)、村越吉展ちゃん→村山明彦ちゃん、のように変えてある。主人公のモデルは平塚八兵衛刑事イメージ。後年テレビドラマで複数回ドラマ化。渡辺謙も平塚を演じた。1966年9月8日~16日豊橋東映、併映「太陽に突っ走れ」。【サイズ:B2】【年代:1966年】