説明
ワーロック/原作:オークリー・、ホール。音楽:リーは―・ライン。製作・監督エドワード・ドミトリク。リチャード・ウイドマーク、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クイン共演の西部劇。無法の街ワーロックで悪事から足を洗い保安官補となったリチャード・ウイドマークと保安官として雇われたガンマンヘンリー・フオンダとが考え方の違いからくる対決を描く重厚なドラマ。フォンダの相棒ギャンブラーであるアンソニー・クィンとドロシー・マローンを加えて四大スター共演の迫力で展開する。友情への裏切りは勝負しかない、クインは酔いつぶれて銃を乱射して町民を傷付けて遂にフォンダはクインを撃つ。そして翌朝手に怪我しているウイドマーク保安官と黄金のコルトを持ったフオンダが決闘するがフォンダが早かったが銃を捨てて一人町を去る、後輩に道を譲るカタチで。社会派ドミトリク監督らしいアメリカの将来を託す描き方で「裏切り」がキーワード。小説家・逢坂剛と文筆家・川本三郎の共著 「大いなる西部劇」(新書館、2001年)の中で、両氏が愛好する作品として高頻度の引用がなされている。主演がヘンリー・フォンダではなく、悪役としても存在感を示してきたリチャード・ウィドマークであるところがこの映画の特色。 悪役の一員として登場するリチャード・ウィドマークが、更生後にかつての親玉を倒してヘンリー・フォンダを追放するという展開は、他の西部劇とは一線を画す。他所から来たヘンリー・フォンダは自分解釈の正義や主義を貫く為には殺人を辞さないタイプであり、ドロシー・マローンに心を奪われているギャンブラーのアンソニー・クインの存在と共に、毒をもって毒を制すことを止む無しとするワーロックという町の選択が前半に描かれる。黒ずくめのヘンリー・フォンダは、後年1969年「ウエスタン」(監督:セルジオ・レオーネ )で悪役を演じた彼の姿にも繋がる、つまり平和が戻った時には異端者となってしまう。黒澤明時代劇が描く侍に通じる戦士の哀しさが描かれている。1959年9月18日〜25日豊橋大劇、併映「戦場の誓い」。1961年7月1日〜4日名画座、併映「追撃機」。1962年9月22日〜25日南東映、併映「嵐の中の若者たち」。リバイバル1963年7月10日〜16日松竹ロキシー、併映「けだもの街」。リバイバル1968年6月29日〜7月12日豊橋名画座、併映「猿の惑星」【サイズ:B2&70Rpポスター&キネマ旬報広告】【年代:1956】