説明
スパイ/原作:エゴン・ホストフスキー。脚本:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー、ジェローム・ジェロニミ。音楽:ジョルジュ・オーリック。監督:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー。フランスパリの精神病院を舞台に東西スパイが暗躍するサスペンス。パリ郊外の精神病院の院長マリク(ジェラール・セティ)は、米国戦争心理協会のハワード大佐(ポール・カーペンター)と称する男から、アレクス(クルト・ユルゲンス)という男をかくまうことを頼まれ、病院再建費のための百万フランを代償に貰う。その男は国際的な事情から身を隠す人物であり、某国スパイに追われているという。米国対仏特務班長だというクーパーは、事情を彼に説明。アレクスが実は東ドイツから脱出した原子科学者フォーゲル博士なのを知った。ハワード大佐は東西いずれにも属さぬ人間的立場から、両陣営の追求より彼を隠したのだ。大佐の誠意を信じたマリクは病院の患者の写真をクーパーに渡して偽った。盗聴マイクをマリクの部屋にしかけたカミンスキー側某国陣営もこれを知り写真を要求。アレクスはフォーゲル博士ではなかった。彼は、自分を囮にしてスパイ達をひきつけ、本物の博士を逃す大佐の計画失敗を語り、マリクの余計な工作を怒る。大佐はクーパーとカミンスキー両者の追求に服毒しており、マリクだけにマルセイユからフォーゲルを逃す計画を教えて死んだ。マリクは駅に急ぎ列車中で博士(O・E・ハッセ)に会う。彼は、安価に製造可能で強力な自分の発明した原爆が、どちらかの陣営に渡る危険と苦悩を語るが両陣営の手は迫り、博士は車窓から鉄路に投身自殺。マリクは総てを警察に訴える決心をした。口がきけるようになった失語症患者リュシイ(ヴェラ・クルーゾー)が唯一の証人だ。その相談中、彼の部屋の電話のベルがけたたましく鴫った。この部屋の会話は盗聴されている筈だった。鳴りつづけるベルに彼は凝然とたちすくむ。1958年8月12日~18日豊橋大劇、併映「キャンベル渓谷の激斗」。【サイズ:B5 雑誌広告】【年代:1958年】