説明
ギャングタイギャング/脚本・監督:石井輝男。音楽:菊池俊輔。東映ギャング路線の功労者である石井輝男監督の演出。キャッチ「警戒せよ!復讐に狂う一匹狼!!ボスに騙され、仲間に裏切られた孤高の暗黒紳士が、銃弾の海に身を投じる痛快無敵のアクション巨編」。 組のため5年間の身代わり服役を終えた男鶴田浩二が、出所した途端に自分のボス(沢彰顕)に命を狙われる。鶴田はボスを負傷させるが、代貸の丹波哲郎一味がトドメをさして縄張りを手に入れる。組織に復讐する鶴田を元陸軍大佐の三井弘次と三田佳子と梅宮辰夫が麻薬横取り計画に誘う。度々登場する坂道のシーンが印象的。まず梅宮辰夫が追いかけてくる車にバス停を転がして妨害するシーン(東急バスの柿の木坂?)、麻薬の運び屋西村晃に無理やり酒を飲ませて轢き殺すシーン、そしてラストに箱根登山ルートでの丹波哲郎とのトラック・カーチェイス銃撃戦でガスボンベが転げるシーン。怒りにまかせボスに復讐の一撃を浴びせた男が麻薬販売ルートを巡る危険な渦に引き込まれていく展開。歌手の松尾和子が麻薬販売中継バーのマダム、高英男が鶴田と対峙する丹波哲郎の仲間に扮する。善人は登場しないギャング映画でラストは共倒れで全滅、90分、白黒。全編ジャズトランペット音楽が流れて東映ギャングルノワール。1962年7月13日~20日豊橋第一東映、併映「橋蔵のやくざ判官」。1962年10月24日~30日銀座東映、併映「右門捕物帖 紅蜥蜴」。1963年2月15日~18日南東映、併映「右門捕物帖紅蜥蜴」。