つばくろ道中

中村賀津雄/若山富三郎、花柳小菊、山東昭子、藤田佳子、香川良介、加賀邦男、清川荘司、小柴幹治、高松錦之助、有馬宏治、月形哲之介、鈴木金哉、汐路章、津村礼司、南方英二、藤木錦之助、中村錦司、

説明

ツバクロドウチュウ/脚本:成澤昌成、鈴木尚之。音楽:高橋半。殺陣:島義一。監督:河野寿一。中村賀津雄&若山富三郎主演。若いやくざ今朝吉(中村賀津雄)を通じて、ヤクザ渡世のはかなさや母子の情愛を描く股旅物。現在参議院議員で84歳の山東昭子先生がヒロインとして出演しており唄も披露して当時19歳、若山富三郎が今朝吉を助ける豪快浪人として登場して豪快な殺陣をみせる。我孫子水神の祭礼の夜、女親分の宍戸のおりん(花柳小菊)一家が、幕張一家の賭場を荒らし、我孫子の兼六(清河荘司)宅に遊びに来ていた幕張利兵衛(香川良介)の息子勝蔵(小柴幹治)、藤吉(津村礼司)の二人のうち、弟藤吉の片腕を斬る。殴り込みをかけようと、いきり立つ息子達を前に利兵衛の顔は冴えなかった。15年前、男の意地から後添えの女房おりんを賭け、敗れて宍戸の吉兵衛に引渡したものの、いまだに未練のある利兵衛だった。おりんは、赤子だった今朝吉とも無理に別れさせられ、実際は勘蔵(加賀邦男)に斬られたのだが、利兵衛に吉兵衛を闇討ちされたと思いこみ、憎しみを抱いていた。利兵衛は喧嘩状を今朝吉に持たせ、宍戸一家に届けさせる。今朝吉は途中門付娘おなつ(山東昭子)と親しくなり、やがて我孫子の兼六一家にワラジを脱ぐ。その夜、寝ているところを襲われたが、旅から帰った用心棒の矢波一八(若山富三郎)が助ける。兼六が放った短筒が肩をかすめ、今朝吉は崖から転落。宍戸一家の源造(月形哲之介)らは、幕張一家の不意をついて殴りこみをかけ、利兵衛を斬る。父を討たれたことを知った今朝吉は、父親の仇が母親である事を兄貴たちから知らされて悩むが一人宍戸へ殴り込む。死闘する今朝吉、後から襲う敵の前に、おりんが身を投げた。「おっかさん」と取りすがる今期吉の腕の中で、おりんはうれし気に息たえた。一八が助けて宍戸一家を斬った。今朝吉は、罪をかぶって自首する一八に送られ、「堅気になって帰る」とおなつと別れ旅立ち「終」。白黒作品、上映時間68分の中編、橋蔵主演の大作「海賊八幡船」の添え物として公開、花柳小菊の熱演にベテラン河野監督の演出とチャンバラの魅力で見せる。2025年7月東映チャンネルで初放送。1960年9月18日〜26日銀座東映、併映大川橋蔵「海賊八幡船」【サイズ:B2】【年代:1960】