お富と切られ与三郎

高田浩吉/嵯峨三智子、河津清三郎、名和宏、雪代敬子、柳永二郎、小笠原省吾、紙京子、明石潮、山路義人

説明

オトミトキラレヨサブロウ/脚本:鈴木兵吾。音楽:斎藤一郎。監督:酒井辰雄。お馴染みのお富・与三郎の艶話を高田浩吉・嵯峨三智子共演で描く世話物時代劇。師走の一夜、江戸の火の番小屋の老人がしみじみ語る身の上話--ベッ甲問屋の倅与三郎は弟の喧嘩の仲裁に入ったため、難がかかり、木更津の叔父の許へ一時身を預ける。旅立ち前、許婚のお鶴に会えるよう弟の与五郎がはからったが、与三郎は伊豆屋の跡目を弟に譲る決心で、彼とお鶴が結ばれることを願う。木更津で彼は、ふとお富を知りそめた。以前深川で左褄をとっていた彼女は、今は土地の親分赤間の妾。与三郎は赤間から滅多斬にされ海へ投げこまれた。お富も後を追う。二年後江戸では彼の死を悲しむお鶴をいたわってきた与五郎の胸に、いつしか慕情が芽生えていた。が、与三郎は生きていた。しかも、江戸で“切られ与三”と異名をとり、蝙蝠安を連れて押借り、ゆすりを働いていた。ある日はからずも死んだと思ったお富にめぐり会う。二人暮しの倖せな日々も束の間、与三郎は土蔵破りをして捕えられた。また一年。佐渡で苦役についている彼のところへ、蝙蝠安が送られてきた。お富の真心や赤間が伊豆屋に因縁をつけていることを聞き与三郎は嵐の夜、安と共に島を逃れた。伊豆屋に現れた彼は、驚喜する与五郎とお鶴に心にもない因縁をつけ、二人の倖せを祈って飛びだした。その夜、彼はついに赤間を斬り宿怨を晴した。が、その時安は傷つき死んだ。隠れ家に戻ってみると、捕手に囲まれる。真面目に暮したいというお富の真心に彼は甘んじて縛についた。それから数年。彼が刑期を終えて帰ってきた時、お富は死んでいた。1957年11月20日~12月3日豊橋松竹、併映「恋して愛して涙して」、11月28日~12月3日「侍ニッポン」。1958年6月19日~23日千歳劇場、併映「マケラレマセン勝つマデハ」。【サイズ:B5 時代映画広告】【年代:1957年】