説明
オンナバンガイチ クサリノメスイヌ/脚本:舟橋和郎。音楽:富田勲。監督:村山新治。高倉健主演でヒットした「網走番外地」シリーズにあやかった緑魔子主演の刑務所物。緑は、結婚するとだました男の梅宮辰夫を刺殺し、梅宮と組んでいた男もナイフで刺して懲役8年で入獄。看守部長が荒木道子、担当さんは中北千枝子とベテラン女優。浦辺や清川らも演技も非常に上手いもので、芸能大会のシーンで2人は「泥鰌すくい」を踊るがさすがに上手で昔の役者は芸がある。もう一人、大ベテラン女優がいて、原知佐子の母で、同じ尊属殺人らしい事件で入獄している、元新東宝の五月藤江。彼女は1966年に引退なので、1965年のこの作品は最晩年の映画である。当然にも原知佐子の緑魔子への同性愛行為があり、懲罰房で彼女が自殺したとき、緑魔子は、復讐を企図し、スリで8犯という若水ヤエ子と組んで、中北千枝子の持つ鍵を盗み脱獄しようとするが、すぐに捕まる。尋問の席に出てくる所長は、NHK『事件記者』の捜査1課長役の高島敏郎、いつも彼は「まだ発表の段階ではありません」だけだが、ここでは緑魔子と台詞のやり取りがある。最後、流産の危機から命を救われた緑魔子が改心し、自立することを示唆して終わる。女囚物では梶芽衣子「さそり」シリーズが有名だがこの作品がハシリ。1965年10月16日~23日豊橋東映、併映村田英雄「任侠男一匹」。1966年1月25日~28日銀座東映、併映「鉄砲犬」。【サイズ:B2】【年代:1965年】