説明
アバレトビ/脚本:八住利雄。音楽:鈴木静一。監督:森一生。市川雷蔵26本目の出演映画で初の町火消し纏もの、旗本対鳶職の争いを背景に町火消しは組の小頭として旗本に立ち向かう痛快時代劇。は組の組頭長五郎(小堀誠)の娘お光(近藤美恵子)は源太(市川雷蔵)に思いを寄せていたが、長五郎も二人一緒にして跡目を譲りたいと考えていた。しかし源太には小染(嵯峨三智子)という恋仲芸者があり、半次(千葉敏郎)はお光を慕っていた。旗本松平刑部(伊沢一郎)は松平家の妾腹の生れで、実は行方不明の右近(林成年)という正室の生んだ弟があった。これを刑部は常に心に咎めていた。また刑部は火事場の一件以来は組を快く思わず、小染を欺いて鬼面組の酒宴に連出した。は組半次(千葉敏郎)も捕われていた。小染が抵抗する隙に半次は逃出し長五郎らに急を告げた。小染は近くにいた池田筑前守の手で危機を脱れ一時姿を隠す。お光は遂に源太を諦めることにした。ところが半次は、お光が源太を慕っているとばかり思いヤケを起し、スリの三吉を相手に飲酒中、鬼面組の手で斬られた。三吉とは刑部の弟右近であった。源太との結婚式を控え、小染は又も松平家にさらわれ、そのうえ組の纏まで奪われた。松平邸に捕われた小染が激しく抵抗するうち燭台の火が障子に移り松平家は火の海と化した。源太は「私怨を火事場へ持込むな」と火事場へ駈けつける。松平邸は焼け尽したが刑部は今や心から源太らに詑びた。纏も戻り、源太と小染は結ばれる。黒川弥太郎が奉行池田備前守で引き立て役。1956年12月19日〜25日丸物会館、併映「第三非常線」【サイズ:B2 地方版】【年代:1956】