説明
ヒロク カイビョウデン/脚本:浅井昭三郎。殺陣:楠本栄一。音楽:渡辺宙明。監督:田中徳三。鍋島猫騒動を最新の特撮技術で描いた大映化け猫時代劇の銀幕最後のカラーワイド作品。併映は松方弘樹主演「眠狂四郎卍斬り」の時代劇2本立て。リアルタイムで豊橋広小路大映で観賞、観客が少なかった事を鮮明に覚えている。主人公は小森半左衛門の本郷功次郞、竜造寺に戸田旺久、妹小夜に亀井光代、とりつかれる中﨟は小林直美と毛利郁子、悪家老に戸浦六公。八代将軍吉宗の頃。佐賀三十七万石鍋島丹後守は竜造寺又七郎の妹小夜の美しさに心を奪われ、側室に差し出すよう強要した。それを知るや、家老矢淵刑部は威信の失墜をおそれ妹お豊の方と共謀、又七郎は刑部の策に乗せられた丹後守に斬殺された。兄の悲業の死を悟った小夜は丹後守や刑部を呪い、復讐を愛猫に託し、自害した。小夜の血をなめたたまは眼をらんらんと輝かせ、空を飛びいずこかへ姿を消し去った。それ以来、夜毎の怪異に城中は怖れおびえ、小森半左衛門に怪異探索が命じられた。たまの化身は中臈沢の井に姿を変え、その怪奇な様を目撃したお豊の方に迫った。間一髪、半左衛門に斬られた沢の井からぬけ出したたまの化身はお豊の方に乗り移った。そのことを聞き、身辺の危険を察した刑部は城を脱出せんとしたが、今は怪猫と化したお豊の方に行手を阻まれ、ノド笛をくいちぎられ死んだ。丹後守を襲った怪猫と馳けつけた半左衛門は凄絶な格闘を展開。半左衛門の剣に怪猫は又七郎の死骸を埋めた古井戸に落ちる。その中から、又七郎の亡霊が昇天。1970年2月7日〜20日豊橋大映、併映「眠狂四郎 卍斬り」。1975年7月5日〜11日豊橋松竹、併映「怪談蚊喰鳥」「四谷怪談お岩の亡霊」【サイズ:B2】【年代:1969】