渡世人列伝

鶴田浩二/高倉健、若山富三郎、池部良、藤純子、水野久美、木暮実千代、大木実、小池朝雄、天津敏、遠藤辰雄、名和宏、寺島達夫、小島慶四郎、林彰太郎、内田朝雄、汐路章、有川正治、鈴木金哉、志賀勝、人見きよし、川谷拓三、波多野博

説明

トセイニンレツデン/脚本:鳥居元宏・志村正浩。監督:小沢茂弘。主題歌:鶴田浩二「無情のブルース」。東映一家オールスター勢揃いの任侠正月映画。ラストは浅草雷門から健さん・鶴田の道行き殴り込みの貴重な1本。カップルは池部良と水野久美の元東宝コンビと鶴田浩二と藤純子、イラスト版ポスターには登場する任侠スターの役の大きさ序列で大きさが異なる。冒頭池部良が雨中で浅草三社一家親分内田朝雄を悪ボス遠藤辰雄から渡世上の一宿一飯の義理で暗殺。姉御に木暮実千代、大木実が跡目、代貸の稲垣長吉(鶴田浩二)が刑期を終え出所して事件を知り、犯人捜しの旅へ出る。手掛かりは大蛇の刺青、福島の郡山で大蛇の刺青をした佃銀次郎(高倉健)と対決するが人違いと判る。健さんが池部と兄弟分だったことが判明。そして硫黄鉱山で昔馴染の兄弟分若山富三郎と再開して池部良とやっと巡り会う。一宿一飯の義理で悪ボス(遠藤辰雄)が三社一家の縄張り狙いで依頼されての渡世上の仕事だったが、池部は重病で健さんとの再開後に死亡する。水野久美が池部を助けるために天津の妾になろうとして池部と天津が対立。悪役でケロイド片目の天津敏やスキンヘッドの汐路章などビジュアル効果を発揮、全体的には殺伐とした雰囲気の小沢演出。1970年の東映正月映画第1弾は健さん二本立て。鉱山でのスキンヘッド集団は天津敏・汐路章・阿波地大輔・有川正治・志賀勝に鈴木金哉・笹木俊志、工夫に小池朝雄・林彰太郎に人見きよし。鶴田と若山・池部と高倉・鶴田と高倉・鶴田と池部の関係がラストに凝縮。鶴田の弟分大木が遠藤・名和宏に騙し討ちで殺されて、三社一家の叔父貴分遠藤辰雄・名和宏と遠藤の兄弟分天津敏連合軍を斬る為に健さんと共に雷門から右手に鶴田、左手に健さんがカット数を同じに鶴田はドス、健さんは長脇差で殴り込む。ラストは鶴田の「無情のブルース」が流れてスターの見せ場をツボを得た場面で上手く見せる小沢演出の職人芸が素晴らしい。1969年12月27日〜1970年1月8日豊橋東映、併映「日本女侠伝 真赤な度胸花」。1970年4月15日〜21日松竹シネマ、併映「女組長」。【サイズ:B2】【年代:1969】