説明
ニッポンジョキョウデン キョウカクゲイシャ/脚本野上龍雄。監督山下耕作。「緋牡丹博徒」に続く藤純子新シリーズの第1作。シリーズでも毎回主人公が異なり「女侠」を謳う。石炭ブームに沸く明治末期の博多が舞台、馬賊芸者の鉄火肌藤純子と炭鉱頭の健さんとの恋、ヤクザの抗争で健さんが殴り込んで死に純子悲しみの舞姿。料亭で藤純子をセンターに桜町弘子と三島ゆり子など芸者衆が揃って踊る場面は素晴しく往年の東映時代劇を彷彿。若山富三郎が薩摩出身の陸軍大臣に扮して貫録、劇中若山の前で下戸の健さんが盃を辞退して純子が大盃で飲み干して「田原坂」を唄う場面で純子が「惚れて居ます」と行って唄う。そして健さんが殴り込みに行く前に「田原坂」を唄った純子に「あの時は綺麗だった」と呟き、更に「どうせ死ぬなら桜の下よ、死なば屍に花が散る」と「田原坂」の一節を呟いて死地に向かう、純子から託された恨みのこもる拳銃を持って。珍しく健さんが死んだ悪玉に向けて拳銃を撃つのであった。東映任侠映画の佳作の1本として高校3年生の夏の記憶に残る。1969年7月31日〜8月12日豊橋東映、併映「不良番長送り狼」。1969年12月3日〜9日松竹シネマ、併映「喜劇女は愛嬌」【サイズ:B2】【年代:1969】