説明
ハタモトタイクツオトコ ナゾノアンサツタイ/脚本:結束信二。音楽:富永三郎。監督:松田定次。旗本退屈男シリーズ27作。五代将軍綱吉黒川弥太郎の暗殺を企む尾張大納言德川邦宗(山村總)の大陰謀を未然に防ぐ退屈男。尾張藩梟の森での忍者集団との殺陣のキレと名古屋城大広間での能舞台を含む釣天井仕掛けからの月形竜之介との殺陣が見物。進藤英太郎が主水之介用人笹尾喜内、月形龍之介が尾張藩家老、薄田研二が尾張藩作事奉行で釣天井秘密を知る重要人物、里見浩太郎が尾張藩若侍に扮して盛り上げ。何と言っても山形勲の尾張忍者の頭領が出色で主水之介と尾張での対決が中盤の見所。次が名古城大広間の能舞台での右太衛門大芝居。将軍の命を救って尾張邦宗は自決して德川本家と尾張を救い天下安泰を将軍に言上する場面を見ると、つくづく旗本退屈男は市川右太衛門の十八番だと感じる作品。後年テレビ時代劇で息子の北大路欣也が右太衛門が着用した衣装で主水之介を演じたが比較は出来まい。物語は、何者かの人命調伏の呪いによって、将軍綱吉(黒川弥太郎y)が日夜病に苦しみ、天下乱るるの兆が見えた。江戸城中将軍寝所の床下に呪いの人形をもち込んだ黒装束の男を、退屈男早乙女主水之介が捉える。曲者は舌を噛み切って死ぬ。呪いの人形を陰陽師阿部清賢(香川良介)が占ったところ、首謀者は御三家筆頭尾張大納言と出た。京都御所での天子即位式出席の途上、尾張は将軍綱吉が立ち寄らねばならぬ場所である。老中豊後守は退屈男をよんで守護の任に当らせようとしたが、彼は既に用人可内(進藤英太郎)、むささびおしま(花柳小菊)、つばくろ三次(河野秋武)の三人を連れて旅立っていた。尾張城内では城主邦(山村聰)の命令で、綱吉を迎えるための新舎殿が造営中。舎殿完成と同時に普譜奉行大橋妥女(薄田研二)が何者かに殺された。弟子の竹内彦四郎(里見浩太郎)を救った退屈男は、妥女の娘弥生(大川恵子)から父妥女の書状を手に入れた。舎殿のからくりにより将軍を殺す計画が記載。事件にまつわる忍者たちが住む梟の森に入り忍者の長老で将軍調伏の張本人皎雲斎(山形勲)と対決。かけつけた尾張大納言の家臣月形龍之介たちが忍者一味をみな殺しにする。やがて綱吉上洛の時がきた。邦宗は綱吉を新造の舎殿に導いた。彼が舎殿で舞をまっている時、天井が轟然と落ちた。邦宗はほくそ笑んだ。その時将軍に化けていた退屈男の高笑いがあたりにひびく。ラストは右太衛門と月形龍之介の大広間での殺陣は見せ場。1960年6月28日〜7月4日銀座東映、併映「親鸞」続映。1960年12月18日〜22日銀座東映、併映「少年猿飛佐助」。1961年1月3日〜7日南東映、併映「ふり袖太鼓」【サイズ:B2地方版】【年代:1960】