説明
シンジンギナキタタカイ/原作:飯干晃一。脚本:神波史男・荒井美三男。撮影:吉田貞次。技斗:上野隆三。監督:深作欣二。主題歌:菅原文太「吹溜りのうた」。「仁義なき戦い」シリーズ完結篇がヒットした為に再び新解釈で製作されたシリーズ第6作。素材は1959年(昭和34年)呉市で起きた山守組内ゲバ事件を描く。舞台は1950年(昭和25年)秋、呉の山守組組員三好万亀夫(菅原文太)は浅田組々長を拳銃で撃ち、殺人未遂で8年間刑務所へ収監。1959年(昭和34年)11月に三好は仮出所するが、その後の山守組の内紛劇を描く。「仁義なき戦い」第1作目とほぼ同じ題材だが、これまでの集団抗争劇とは体裁を変えて、登場人物の性格描写に主眼を置いた演出が為されている事、クライマックスである山守組若頭である青木(若山富三郎)襲撃事件を、青木に重傷を追わされた関(松方弘樹)側からの視点で描く等の違いがある。若山の殺され方が見物。主人公の菅原文太と若山富三郎は兄弟分、第1作で松方弘樹が演じた坂井鉄也の役が若山富三郎の青木。深作は映画製作中に「人間の弱さ、醜さ、おかしさを徹底して追及してみたい」などと話した(キネマ旬報)。1966年(昭和41年)「網走番外地北海篇」から前年1973年「ゴルゴ13」まで東映の正月興行第一弾は、8年連続で高倉健作品が務めてきたが、初めて菅原文太=深作欣二コンビが第一弾を務め世代交代となる。タイトルトップは文太に続いて松方弘樹、止め2番手に安藤昇、止めに若山富三郎。中原早苗が山守夫人、池玲子が韓国ホステスで文太と絡み血気盛んな役どころ、その他にも松尾和子が若山の女房役で出演。宍戸錠が大友勝利みたいな橘八郎役で酔いどれヤクザで文太と若山の兄弟分として登場する。山守の台詞「バカたれ!」が印象的。文太と若山と金子、松方と若山、若山と金子、松方と文太、金子と文太の関係で若山と文太の感情が爆発。1974年12月28日~1975年1月14日豊橋東映、併映「直撃地獄拳 大逆転」。【サイズ:B2ポスター2種&キネマ旬報表紙】【年代:1974年】