説明
オオエドケンカマトイ/原作:沙羅双樹。脚本:松浦健郎。音楽:万城目正。監督:佐伯清。主題歌:美空ひばり。戦後時代劇黄金期に数多く製作された時代劇スター主演の纏もの。大友柳太朗・大川橋蔵・美空ひばり共演の1957年正月映画。芝神明町、町火消「め組」の辰五郎(大友柳太朗)、お雪(美空ひばり)兄妹のもとに新貝新三郎(大川橋蔵)という若侍が駆け込む。心ならずも強いられた決闘で相手(須藤健)を斬り、国元から脱藩してきた。武家社会に嫌気がさした新三郎は火消しになりたいと辰五郎に懇願。め組の一員になった新三郎は、横暴な定火消しを蹴散らして炎の中に飛び込み、一番手柄。お雪と新三郎は仄かに惚れ合う。 名も新三と改め、肌に刺青を散らせて、武士の世界には戻らぬ覚悟の新三郎。お城が火事となり潮見櫓で消火を始めるめ組の辰五郎、新三ら町火消しの前に立ちはだかるのは、松平公お抱えの定火消しやごろつき相撲取り(富田仲次郎)とグルになった暴れ者旗本(堀正夫)。江戸っ子火消しが無法集団に命知らずの戦いを挑む。 火消しの意地と鉄火肌。ジャンと鳴れば纏を担いで飛び出す娘に美空ひばりを得て、画面狭しと大活躍。尤も火事場面は最初だけで火消しと不良関取との対立がほとんど。火消しの元締に薄田研二、大友の女房に三條美紀、町奉行に神田隆、伯父貴旗本に香川良介。キャッチコピー「ジャンと一打ち、素っ飛び纏!八百八丁の炎を浴びて意地と鉄火の恋歌ばやし! 勇み肌、八百八丁の男一匹!火焔の舞台に燃えさかる男纏の意地と伊達! 恋、歌、喧嘩。大友・ひばり・橋蔵の侠艶絵巻 火事と喧嘩は江戸の華」。歌と喧嘩と恋と人情の娯楽時代劇の典型。大川橋蔵の纏物は1958年正月映画「花吹雪鉄火纏」、1960年「江戸っ子肌」。美空ひばりの火消しはこのあと1959年東千代之介と「唄祭りかんざし纏」がある。タイトルトップはひばりと橋蔵、二番手に薄田研二に岸井明・三條美紀で止めに大友柳太朗。1957年1月9日~13日豊橋第一東映、併映「七つの誓い凱旋歌」。1957年6月24日~30日銀座東映、併映「水戸黄門漫遊記 怪描乱舞」。【サイズ:B5時代映画広告】【年代:1957年】