説明
バクトムジョウ/脚本:星川清司。音楽:小杉太一郎。監督:斎藤武市。松原智恵子の女侠物シリーズの第1作。日活任侠映画。女性主人公として大映「女賭博師」シリーズで江波杏子、東映「緋牡丹博徒」シリーズ藤純子や「妖艶毒婦伝」シリーズの宮園純子が売り出して人気があり、日活でも歌手の扇ひろこに続き清純派の松原智恵子をヒロインにした作品として製作された。渡哲也とのコンビで松原は健気な女性として芸者になり恋人渡哲也を待つ役処。扇ひろ子が関東桜組の侠客として特別出演しているが殺陣が下手。渡が恩義のある親分の為に高品一家に殴り込んで刑務所へ。そして出所後に露口と闘うが露口は指を詰めて渡を立てる、渡は悪ボス髙品格へ殴り込んで死んで露口が看取る。ラスト渡哲也の死に顔をみた松原は遺骨を抱いて船で去る、見送る露口茂。松原をめぐる任侠ラブストーリー。露口茂が敵方の客人として渡と向き合いながら松原を見守る役目で渋い芝居。東映とは異なるタイトルクレジットの構図が新鮮。当時の日活は累損赤字が続いて火の車、任侠映画は役者が豊富な東映に叶うべくもないが、徹底的に東映を真似した企画が続く中の1本。日活「博徒無情」と「残酷おんな私刑」2本立て本を東映番組「温泉ポン引女中」「やくざ刑罰史 私刑!」まともにぶつけ似たような題名の映画で動員数を競い、物マネスタイルの日活が本家東映を退け興行合戦に勝利し五社のトップに突如躍り出る異変を起こし映画界を驚かせたエピソード。1969年7月9日〜18日千歳日活、併映「残酷おんな私刑」。【サイズ:B2】【年代:1969】