説明
キズダラケノジンセイ/脚本:村尾昭。音楽:渡辺宙明。殺陣:谷明憲。監督:小沢茂弘。主題歌:ビクターレコード 鶴田浩二「傷だらけの人生」「無情のブルース」。大ヒット曲「傷だらけの人生」の映画化は鶴田の人生そのままで当時45歳。昭和の初め、大坂天満の大聖寺一家の縄張り争いと跡目争いに親子関係が絡む任侠道王道。故大聖寺一家親分の姐さんが八代万智子、八代に惚れる三代目を狙う半田一家に天津敏、叔父貴分に石山健二郎と遠藤辰雄。遠藤が天津を立てるが若山の子分待田京介が天津ともめて天津と若山、天津と鶴田の三角関係となり、若山が指を詰めて天津と鶴田の喧嘩を止める。天津が八代を手籠めにするところに若山が駆けつけて天津を刺して自首。若山と鶴田の兄弟分の想い合い、石山が鶴田派、石山と遠藤の対立、若山が出所した日に破門された天津の子分林彰太郎が若山を銃撃するが若山の子供が死ぬことになる。若山は鶴田と盃を返して天津を殺そうとするが鶴田に花会を仕切るまでは我慢しろと諭されるところが泣かせる。「総長賭博」を彷彿。あくどい遠藤・天津組に若山が悪業を諭しに行き遠藤に殺される場面になる。「お前ら立っとらんと座れ!」と言って大聖寺の花会を仕切るのでというが遠藤は誰が何と言おうとお前に仕切らせん!」となり、若山が懐の盃を割って遠藤に向かうがピストルで撃たれ、楠本達に刺される。駆けつけた鶴田に病院に運ばれるが看取られて死亡。そして鶴田が石山に逆縁の盃を返して、我慢に耐えた鶴田が遂に実父の遠藤を殺すために主題歌「無情のブルース~ハジキ出された半端な命 捨てても未練があるじゃ無し 義理も人情も紙風船だ~ これがやくざのこれがやくざの生きる道~」を背景に、天神祭りの花会川船で夏祭りを楽しむ花会場所に待田京介と共に殴り込む。その背景には「任侠一筋」の額。悪役陣に遠藤辰雄・天津敏・楠本健二・諸角啓二郎・小田部通麿・丘路千・川谷拓三など。ラスト遠藤を刺すときの瀕死の鶴田の眼、そして『傷だらけの人生』~「何から何まで真っ暗闇よ筋の通らぬ事ばかり~右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合い、どこに男の夢がある~」。が流れてエンド。鶴田の育ての親が北村英三。鶴田夫人工藤明子はすっかり鶴田のパートナー感で若山の妹、若山のカミさんが北林早苗。殴り込みは手持ちカメラで迫力満点で小沢監督晩年の傑作になるだろう。1971年7月3日〜17日豊橋東映、併映「温泉みみず芸者」。1971年10月27日〜11月2日松竹シネマ、併映「サラリーマン脱出作戦」【サイズ:B2】【年代:1971】