説明
ユウレイセン/原作:大佛次郎、企画:マキノ光雄、音楽:深井史郎。助監督:沢島忠。監督:松田定次。冒険活劇2部作としての中村錦之助主演で2週連続で公開した総天然色時代劇、錦之助56本にして少年前髪役はラストで当時25才で10代の役を演じた。テレビでは後年「海の次郎丸」として放送。応仁の乱を背景にした海洋冒険活劇。天下を狙う松永弾正(月形龍之介)と海賊が結託して掠奪を繰り返し私腹を肥やす一方で、船乗り重兵衛(大河内傳次郎)は遭難して錦之助扮する次郎丸を逃がして薄田研二が治める南海の島に隠れ住む。そしてゆうれい島とゆうれい船の噂を広め人々を遠ざけて平和な理想の国を築きいつか息子と再開することを願っていたが、そこへ山形勲扮する海賊が宝石などの横取りを企み平和の国を乱そうとする波乱の展開。成長した次郎丸は堺湊へ叔父(進藤英太郎)を尋ねるが悪人の叔父は松永弾正と組していた為、次郎丸は逃げ出す。途中重兵衛の部下鬼夜叉の三島雅夫や爺やの伊藤亮英と再会、佐馬之介(大友柳太朗)や姫(長谷川裕見子)とも知り合い味方となって船で脱出して海でゆうれい船と遭遇して前編が終了。後編では最初の5分で前編エピソードを紹介して海賊山形勲・富田仲次郎・清川荘司と戦いながら父親を探す旅に出る。ルソン沖で嵐に遭遇し行方不明となった船乗りの父・重兵衛を捜し求めて、住吉丸に乗り込んで正義のための戦いに身を投じていった。その戦いの果て、次郎丸の前に現れた噂のゆうれい船。それは父・重兵衛の観音丸によく似ていた船と再度遭遇。そして再開した親子は南海の島で海賊達を退けた後にゆうれい船団4艘と共に平和な新天地を目指して旅に出る。前後篇合わせて170分の大作。山形勲が前編では善玉の役でラスト近くに戸上城太郎に斬られる、後編では海賊として悪玉のボスで登場するので観客はとまどっただろう。三好家の姫に長谷川裕見子、近江佐々木家の若殿佐馬之介が大友柳太朗で長谷川と恋仲になる、大友家臣には加賀邦男・星十郎。イーストマン東映カラー、東映スコープ。前編1957年9月14日〜20日第一東映、併映「二宮尊徳の少年時代」。1958年2月19日〜25日銀座東映、併映「ふり袖太鼓」。1959年7月1日~4日南東映、併映「たつまき奉行」。後編 1957年9月21日~28日第一東映、併映「満月乙女笠」。1958年2月26日~3月4日銀座東映、併映「富士に立つ影」。1959年7月5日~8日南東映、併映「天下の伊賀越え 暁の血戦」。【サイズ:近代映画】【年代:1957】