説明
オンナゴクアクチョウ/原作:谷崎潤一郎「恐怖時代」。脚本:星川清司。殺陣:宮内昌平。音楽:渡辺岳夫。監督:池広一夫。登場人物が全て悪人、くせ者揃いの俳優陣で裏切りの連鎖を描くブラックアダルト時代劇。安田道代主演。世の中を見返す事で女郎から芸者お銀、家老佐藤慶に色仕掛けで取り入って春藤家の当主岸田森の側室へ入り殿様との間に息子も出来て全て抹殺すれば自分の天下とばかりに悪計をめぐらす悪女一代記の物語。安田道代・田村正和・小松方正・小山明子・佐藤慶・芦屋小雁・岸田森・遠藤辰雄など全て「悪」。大映末期のあだ花みたいな時代劇だが登場人物が個性的に描かれていて改めて見ると面白い。悪徳医者小松方正を安田と小山明子で謀殺、安田の中臈小山明子が真面目に「色悪」を演じていて10才年下の愛人侍が田村正和、秘密を守るために田村が御前試合で小山を斬殺。家老の佐藤慶は安田を岸田殿に安田を差し出して家老に出世、田村と安田の不倫を暴くが田村に返り討ちにされる。そして岸田殿様は二人を成敗する為に家臣と共に立ち向かうが全員田村に斬られる。安田が自分の子どもを後継者にして春藤家を手に入れて、秘密を知る茶坊主芦屋小雁にゆすられて買収する事になる。二人が祝杯を挙げると田村の酒に毒が盛られてラストは田村が安田を追い詰めて共倒れ、虫の息の安田に藩士木村玄が現れて、岸田殿様の奥方毒殺情報は虚偽であり芦屋小雁と仕組んだ罠だった事を知らせる。一瞬野望の夢を果たした安田は死亡。芦屋小雁が欲の皮を被った悪党ばかりと言いながら町を歩いて「終」。全員出世欲や金銭欲で他人を踏みつけてのし上がる魂胆を持っている。「家」を想う真面目な藩士に伊達三郎・早川雄三。2025年6月に時代劇専門チャンネルで久しぶりの放映。1970年4月18日〜24日豊橋大映、併映「凶状流れドス」。1970年6月24日〜30日松竹シネマ、併映「残酷おんな情死」【サイズ:B2】【年代:1970】