説明
ショウワザンキョウデン ヤブレガサ/脚本:村尾昭。殺陣:日尾孝司。監督:佐伯清。昭和残侠伝シリーズ最終作で配役陣もセミオールスターだが約10年続いた任侠映画は終焉となる年。正月映画第2弾の「仁義なき戦い」が大ヒットして実録路線に変わる年。健さんの顔つきが色黒で痩せて来た。物語は郡山の安藤昇の兄弟分だった花田秀次郎が渡世の意地から安藤・山城新伍・今井健二・待田京介等と共に喧嘩に参加、4年の刑期を終えて時雨弥三郎親分鶴田浩二と偽秀次郎を名乗った北島三郎の因縁に付合う事になる。今回の悪ボスは東北一帯支配を企む会津の鬼首一家 山本麟一・八名信夫で山本の妹と安藤昇が結婚していて安藤は一家を構えて、地元でそこそこの顔となったいた。安藤一家と天神浜一家(水島道太郎)とが険悪になる中、悪辣な山本隣一に安藤子分の今井健二が寝返り、義兄と兄弟分の板挟みで安藤が悩む。健さんは、元恋人の星由里子を探していて郡山で再会、星は健さんが死んだと思い込んで自殺未遂したところを、天神浜一家代貸の池部良に助けられて夫婦になっていた。渡世上の義理で健さんと池部が河原で対決、そこへ星が停めに入るが誤って池部に斬られて死ぬ。鶴田親分が仲裁に入るが山本隣一は断って、客人になっていた北島三郎に鶴田暗殺を命じる。北島は恩義ある鶴田に仁義を通して丸腰で向かい鶴田子分に刺されて義理を果たす。こうして安藤が健さんへの義理で山本に絶縁してでも対決するが夫婦共に逆に殺され、安藤昇は吉良の仁吉的な死に方。そして鶴田が池部良からとのニセ情報での呼び出しで、山本麟一に闇討ちに合う。健さんは殴り込みを決意。壇ふみのデビュー作で出演者各々の見せ場を見せながらラストの殴り込みへ続く。「秀次郎さん、ご一緒致します」の言葉と共に「流れ流れの旅寝の空で~」の主題歌を背景に雪の中を殴り込む。義理と人情の様式美は時代と共に変化する1972年の年の暮れ。健さんと重吉の晴れ姿も見納めの唐獅子牡丹は大学2年生だった、さらば秀次郎と重吉「花と風」の想い。1972年12月30日〜1973年1月12日豊橋東映、併映「女囚さそり41雑居房」。1973年5月9日〜15日松竹シネマ、併映「喜劇男じゃないか闘志満々」【サイズ:B2】【年代:1972】