恍惚の人

森繁久彌・高峰秀子/田村高広、乙羽信子、中村伸郎、篠ヒロコ、杉葉子、浦辺粂子、若宮大祐

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説明

コウコツノヒト/原作:有吉佐和子。脚本:松山善三。おb学:佐藤勝。監督:豊田四郎。森繁久彌と高峰秀子共演。息子(田村高広)も孫も顔をしかめてそっぽを向くボケた八十四歳の老人(森繁久彌)と嫁(高峰秀子)の温かい心のふれ合いを日常の中でとらえる。原作は有吉佐和子の同名小説。当時60歳の森繁久彌の渾身の演技が話題となり、「恍惚の人」は流行語にもなる。立花茂造は老妻が死んで以来、老衰が激しくなり他家へ嫁がせた自分の娘の京子(乙羽信子)の顔さえ忘れていた。息子の信利の顔も忘れ、暴漢と錯覚して騒ぎ出す始末。突然家をとび出したり、夜中に何度も昭子を起こしたりする日が何日か続いた。昭子は彼女が務めている法律事務所の藤枝弁護士(中村伸郎)に相談するが、茂造の場合は、老人性うつ病といって老人の精神病で、茂造を隔離するには精神病院しかないと教えられた。昭子に絶望感が。雨の日、道端で向い側の塀の中からのぞいている泰山木の花の白さに見入っている茂造を見た昭子は胸を衝かれた。茂造には美醜の感覚は失われていない、と昭子は思う。その夜、昭子がちょっと眼を離している間に茂造が湯船の中で溺れかかり、急性肺炎を起した。奇跡的にも回復、昭子の心にわだかまっていた“過失”という文字が完全に拭いとられた。そして、今日からは生かせるだけ生かしてやろう、それは自分がやることだ、と堅い決意をする。病み抜けた茂造の老化は著しくなった。そんな時、学生結婚の山岸とエミが離れに引っ越してきた。茂造は今では昭子の名さえ忘れ“モシモシ”と呼びかけるが、何故かエミにはひどくなつき、エミも色々と茂造の世話をしてくれるようになった。しかし、茂造の奇怪な行動は止まなかった。便所に閉じ篭ってしまったこと、畳一面に排泄物をこすりつけたこと。ある日、昭子が買い物で留守中、雨合羽の集金人に驚いた茂造は恐怖のあまり、弾けるように外へ飛び出した。血相を変えて茂造を捜す昭子の胸に、迷子になり母の姿をみつけた少年のような茂造がとび込んできた。二日後茂造は死んだ。「家が臭い」と無遠慮に言う京子に、敏は「臭いから良いんだ。お爺ちゃんがいるようで」と反論する。昭子は茂造を思い、小鳥に「もしもし」と語りかける。そしてその頬には一粒の涙がこぼれ落ちる。テレビでは1990年大滝秀治、1999年三国連太郎でドラマ化。認知症を扱う初の本格的な作品。1973年2月3日~23日豊橋西武東宝、併映「にっぽん三銃士博多帯締め一本どっこの巻」。【サイズ:B2ポスター】【年代:1973年】