復讐するは我にあり

緒形拳/三国連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、フランキー堺、小川真由美、清川虹子、加藤嘉、北村和夫、殿山泰司、白川和子、絵沢萌子、浜田寅彦、火野正平

説明

フクシュウスルハワレニアリ/原作:佐木隆三。脚本:馬場当。音楽:池辺晉一郎。監督:今村昌平。緒形拳主演。九州・浜松・東京などで五人を殺人、指名手配の網をくぐり大学教授や弁護士になりすまし詐欺と女性関係を繰り返して犯罪王となった榎津巌(緒形拳)の生い立ちから死刑になるまでの軌跡と人間像を描いたサスペンス大作。緒形拳が演じる榎津巌には、人を殺すことに対する躊躇もなければ、後悔も喜びや快楽もない。いわゆる殺人を犯す心理的葛藤など描かれず、まるで最初からそう決まっていたかのように、避けられぬ自分の仕事であるかのように、巌は金目当ての殺人を重ねていく。いわゆる「サイコパス」「ソシオパス」であり、良心の箍(たが)が一切機能しない。それに対比するように描かれるのは、敬虔なクリスチャンであり、欲望を抱えながらそれを押し殺して生きてきた三国連太郎扮する父親・榎津鎮雄である。緒形と三國の二大名優が演じる親子間で翻弄される巌の妻を倍賞美津子が艶っぽく幸薄く演じ、今村映画の常連たちによる凄まじい演技の応酬を目の当たりに出来る。また、巌が立ち寄る旅館の女将を演じる小川真由美も印象的。巌に愛情を示すこの女性の存在こそが、すでに正常には戻れない巌の狂気を際立たせる役割を果たしている。新約聖書に登場するこの一節における「我」とは、榎津でも被害者でも監督でも観客でもなく「神」のことである。人の罪を裁き「復讐する」のは人間でなく、神の役割だと言っている背景。1979年4月28日~6月1日豊橋松竹。1980年2月2日~15日豊橋松竹、併映「男はつらいよ寅次郎治春の夢」。【サイズ:A4パンフレット表紙&チケット】【年代:1979年】