鬼畜

緒形拳/岩下志麻、小川真由美、大滝秀治、鈴木瑞穂、蟹江敬三、大竹しのぶ、田中邦衛、加藤嘉

説明

キチク/原作:松本清張。音楽:芥川也斗志。脚本:井手雅人。監督:野村芳太郎。緒形拳主演。父を思い続ける息子と、環境に押し流されて正気を失う弱い父親、大人と子供の世界を較べながら、切っても切れない親子の絆を描く。松本清張原作の昭和32年に事実をもとに書き下ろした小説の映画化。気の弱い男がある日、3人の隠し子を押し付けられ、動転して親とは思えない行動に出てしまうさまを描いたサスペンス・タッチの人間ドラマ。野村芳太郎監督が映画化した問題作。印刷屋を営む竹下宗吉(緒方拳)と妻のお梅(岩下志麻)。ある日、宗吉の愛人(小川真由美)が3人の隠し子を宗吉に押し付けて失踪。妻のお梅は子どもたちに辛く当たり、やがて、末っ子の赤ん坊が不慮の事故で死んでしまう。お梅が故意に仕組んだと察した宗吉は残る2人も何とかしなければと追い詰められて行く。宗吉は良子を東京タワーへ連れて行き、置き去りにして逃げ帰る。長男の利一には「よそで預かって貰った」といい訳。お梅は利一を一番嫌っている。兄弟思いで利口な利一の白目がちな目が、お梅夫婦のたくらみを見抜いているようだ。宗吉は、こだま号によろこぶ利一をのせ、北陸海岸に連れて行く。断崖上の草原で蝶採りに遊び疲れ眠りこけた利一を宗吉は崖下に放り出した。翌朝、沖の船が絶壁の途中に引掛っている利一を発見、かすり傷程度で救助。警察の調べに利一は父親と遊びにきて、眠っているうちに落ちたと云い張った。名前、住所、親のことや身許の手がかりになることは一切いわなかった。しかし警察は利一の服のメーカーのマークが全部切りとられていたことから、事故ではなく、利一は突き落とした誰かをかばっていると判断。利一の黙秘に警察はお手上げになった時、入ってきた名刺屋が、利一の持っていた小石に注目した。利一が“いしけりの石”と話すそれは、石版用の石で、インキをこすれば、消えた版が再現できるかもしれない。警察の捜査が開始。移送されて宗吉が警察で親子の対面。「坊やのお父さんだね?」警官の問いに利一が激しく拒否した。「よその人だよ、知らないよ、父ちゃんじゃないよッ」手錠がかかった手を合掌するように上げて、涙を流して絶叫する宗吉の声が部屋に響く。2002年と2017年に2回テレビドラマ化。主演の緒形拳と野村監督は第2回日本アカデミー賞と第21回ブルーリボン賞で最優秀主演男優賞と監督賞を受賞。1978年10月7日公開、豊橋松竹。【サイズ:B2ポスター】【年代:1978年】