説明
サンチャゴニアメガフル/脚本・監督:エル・ヴィオ・ソトー。音楽:アストル・ピアソラ。ジャンルイ・トランティンヤン主演。南米チリの軍事クーデターを事実に基づいて描いた、ドキュメンタリー・タッチの戦争ドラマ。俳優を見せるより、事件そのものを語る手堅い演出が、重厚な印象を与える。アストラ・ピアソラの美しいメロディが惨劇を際立たせている。1970年9月6日、新たに陸軍総司令官に就任したアウグスト・ピノチェット将軍(アンリ・ポワリエ)は、国民投票予定日の9月10日にクーデターを決定。同11日午前7時半。アジェンデ大統領はモネダ宮(大統領府)で、クーデターに抵抗することを決意。オリバンテスは妻マリア(アニー・ジラルド)に別れの電話をかけた。サンチャゴの街路に戦車が走り始めた。軍隊ではクーデター反対の兵士たちが逮捕された。連絡にとびちる学生、バリケードを作る労働者、ラジオは「サンチャゴに雨が降っています」と危機を暗号で告げた。軍隊がモネダ宮へ攻撃を開始、アジェンデ大統領みずから自動小銃をとると共に、国民に向けて悲壮な最後のラジオ放送を行なった。攻撃部隊は宮殿内に突入し、繊維工場でも武装した労働者たちは勇敢に抵抗したが、圧倒的な武力に押しつぶされ、多くの人間が銃殺された。大学でも学生たちの大量逮捕が始まった。「人民連合」の歌を唄ってみんなをはげまそうとしたフォーク歌手(D・ゲラシモフ)は兵士たちに虐殺された。街頭では進歩的な本が焼かれ、アカと密告された人の殺害が続いた。ピノチェット将軍らは軍事評議会の記者会見をし、いったん固有化した銅山をアメリカ資本に返還すると言明した。「人民連合」派のノーベル賞詩人パブロ・ネルーダが死んだ。9月26日のネルーダの葬儀。それは、クーデター後初めてのファシズムに反対するデモとなった。1976年5月公開だが豊橋では1976年~1978年未公開。【サイズ:B2ポスター】【年代:1976年】