説明
カントウテキヤイッカ テンノウジノケットウ/脚本:高田宏治。音楽:菊池俊輔。殺陣:谷明憲。監督:鈴木則文。菅原文太主演の「関東テキ屋一家」シリーズ第3作。舞台は大阪天王寺と飛騨高山。三輪会は大阪露天商に絶大なる人気の元締め。暴力団あがりの黒金工業社長(小池朝雄)が千成組帳元東条(遠藤辰雄)と共謀し、三輪会の庭場を横取を企む。偶然山城新伍の妹武原英子の庭場へのいちゃもんを黒金身内から助けた文太こと国分勝が三輪会代貸の葉山良二と知己を得る。一方黒金と東条は三輪会元締め清川虹子親分に対して、三輪会の庭場にヘルスセンター建設の話をもちかける。露天商の生活と保障を条件にその建設計画に同意する元締め清川虹子。清川虹子の実子で今はテキヤ馬賊鉄也伊吹吾郎が大阪へ戻る。彼に目をつけた黒金と東条は金で買収し三輪会の庭場内で暴れさせ、清川に対してのいやがらせを表面化。息子に対して大阪から出ていくよう伝える清川だが、伊吹は母親に反抗する。清川の口添えで飛弾高山に旅した国分を追う清川の娘夏子(土田早苗)はいつしか国分に魅かれる。大阪に戻った二人を待っていたのは伊吹の死であった。強引手段に出た東条が露店商の長屋を取潰すのを邪魔する清川だが、母を狙った銃弾が、かばった伊吹の胸元を貫ぬき息を引きとる。初めて母親としての涙を流す。国分を従えて西日本各地のテキヤの帳元衆が集る総会会場に乗り込み、伊吹が取得した裏図面を持って、東条と黒金の悪事を暴露して千成組と黒金工業を西日本テキヤ同盟から脱退させた。東条と黒金はその帰り道、清川と代貸葉山良二を襲う。夏子は母親の死体を前に、六代目をつぐ決心をする。だが国分は“夏子さん、あんたはそんなものは似合わないぜ”と、単身主題歌を背景に千成組へと殴り込む。山城新伍が助成するが死亡、血みどろになりながら文太が小池と遠藤を殺して夜明けの天王寺を歩いて「終」。葉山良二は清川虹子を立て、文太と親しくなり池部良的な役どころで引き立つ。1971年以降は悪役もこなすが日活移籍組では準主役といった位置付け。清川虹子の大芝居と曾我廼家明蝶は貫禄演技。岡八郎、由利徹、正司敏江・玲児、南利明など喜劇陣が支える。キャッチ「雨!ざあざあ文太びっしょりドスもずぶ濡れ」とあるが雨は降らない。1970年5月1日~12日、豊橋東映、併映健さん「捨て身のならず者」。【サイズ:円形ポスター】【年代:1970年】