説明
ウゲツモノガタリ/原作:上田秋成。脚本:川口松太郎、依田義賢。音楽:早坂文雄。助監督:田中徳三。殺陣:宮内昌平。監督:溝口健二。森雅之&京マチ子&田中絹代共演。巨匠・溝口健二の代表作、戦乱の中で世俗の欲に翻弄される人々を幽玄な映像美で描き、多くの映像作家に影響を与えた世界的名作。上田秋成の読本「雨月物語」に収録された「浅茅が宿」「蛇性の婬」の2編にモーパッサンの短編「勲章」を加え、川口松太郎と依田義賢が脚色、宮川一夫が撮影を手がけた。戦国の世、近江の国貧しい陶工・源十郎(森雅之)が自ら焼いた焼物を持って商いで近江京に赴くが、若狭姫(京マチ子)という女性と知り合い、生活をともにするようになる。だが美しい若狭姫の正体は死霊であった。それを知った源十郎は恐くなり若狭姫を捨てて故郷に逃げるが、彼女の怨念は執拗に追いすがる。故郷で平凡な日常を願いながら子供と帰りを待つ妻に田中絹代、出世欲の強い侍志望の弟に小澤栄(小沢栄太郎)、その妻に水戸光子。戦前サイレント映画「蛇性の淫」のリメイクであり、1964年小林正樹監督「怪談」でも製作された。第14回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。テーマは「幻想」。セット撮影が多いがその構図やカメラアングルなど斬新な映像。1953年4月2日~8日丸物会館 1本公開。1954年7月7日~13日豊橋千歳劇場、併映「その妹」。2025年8月4K版をNHKBS4Kで放映。【サイズ:A4日本映画ポスター集より&公開当時プログラム・スチール】【年代:1953年】