説明
ユキノジョウヘンゲ ダイイチブフクシュウノコイ/原作:三上於菟吉。音楽:高橋半。脚本:西條照太郎。監督:河野寿一。主題歌:キングレコード春日八郎「雪之丞変化」。挿入歌:ポリドールレコード曽根史郎「お初仇情」。時代劇スター東千代之介デビュー作。日舞界ではその名が高い千代之介がその素質を謳われての銀幕初登場で大ヒット。一躍スターダムに躍り出て第三部公開の翌週から「笛吹童子」3部作、2週おいた5月25日から「里見八犬傳」5部作が連続公開されて東千代之介ブームが到来する。戦前に長谷川一夫主演で大ヒット、坂東好太郎も演じる。戦後の映画化は初。元長崎奉行の土部三斎や悪商人達に謀殺された父親の仇を討つ為に10才から役者修業に入った雪太郎こと中村雪之丞と怪盗闇太郎の二役を演じる。土部三斎に薄田研二、娘浪路に高千穗ひづる、一味の角倉平馬に原健策、雪太郎の師匠が河部五郎。上方芝居中村座の若女形雪之丞の視線は、舞台で踊りながらも何時も客席の土部三斉、海産問屋広海屋、長崎屋の三人に注がれていた。大奥で将軍の寵愛を一身に集めている三斉の娘浪路の招きで一夜土部邸を訪れた雪之丞は、帰途暴漢に襲われる。雲之丞の心願を知る独創天心流の開祖脇田一松斉が秘伝の奥義書を雪之丞に授け様とした事から、門弟門倉平馬の恨を買った。現われた怪盗闇太郎の助けで難を免れた。その昔長崎に松浦屋という豪商があった。時の奉行土部三斉はその妻お道に横恋慕し、密貿易商広海屋と長崎屋を唆かして松浦屋を無実の罪に陥れお道は自害し、松浦屋は獄死。旅廻り役者中村菊之丞に養われた一子雪太郎は女形雪之丞となり、復讐の刃を秘めて東上した。雪之丞より打明けられた闇太郎は力を貸そうと誓う。浪路の恋患いに三斉は再び雪之丞を招く。が行手の和泉橋で又もや平馬一味の襲撃に会い、忽ち剣の林に囲まれて第一部が「終」。第二部は「復讐の舞」、第三部は「復讐の剣」と全て「復讐の」がタイトルに付く。53分。1959年4月7日~13日豊橋第一東映、併映「暁の三十八番斬り」「バグダッドの黄金」。