説明
シベリアチョウトッキュウ/製作・原作・脚本・作詞・監督:水野晴郎。主題歌:藤吉じゅん。映画評論家水野晴郎が監督デビューした「バルカン超特急」オマージュのミステリー。シリーズ化されて5本製作、2003年には舞台化されている。1938年、モスクワから満州へ向けて走るシベリア鉄道には、山下奉文陸軍大将、佐伯大尉、青山一等書記官の3人の日本人、契丹人女性の李蘭、ウイグル人女性のカノンバートル、オランダ人女優のグレタ、ドイツ軍ナチ中佐のユンゲルス、ソ連軍大佐のポロノスキー、そしてポーランド人商人のゴールドストーンの9人の乗客が乗り合わせていた。この列車の中でポロノスキーが毒殺されるという事件が起き、李蘭とグレタが姿を消した。佐伯と青山は犯人探しに乗り出すが、今度はユンゲルスが殺害される。ふたりはゴールドストーンを疑うが、彼は山下暗殺を企むヒットラーが送りこんだ刺客であったことが判明する。ゴールドストーンを取り押さえたその時、李蘭が現れ、山下に銃を向けた。日本軍に祖国を追われた彼女は、スターリンによって山下暗殺の為に送りこまれたのだ。間一髪、山下は青山に救われる。一連の殺人事件の真犯人はカノンバートルとグレタだったことが、山下の推理によって明らかになった。列車で知り合った二人は、それぞれの目的を果たすための交換殺人だった。場面は一転して撮影を終えたセットの中。役者たちがそれぞれの労をねぎらっている。ところが、そこで李蘭役の女優が車掌役の男優に撃ち殺された。男優の祖父は大戦中に平和主義を唱えた人物で、女優はその人物を死に追いやった男の娘だったのだ。復讐を遂げた男優が自殺、実はそれも映画で日本人俳優たちは打ち上げの席で、自分たちが抱える現実問題を話していた。1996年2月24日公開だが豊橋未公開。【サイズ:B5チラシ】【年代:1996年】