説明
セントチヒロノカミカクシ/原作・脚本・監督:宮崎駿。音楽:久石譲。主題歌:木村弓「いつも何度でも」。作画:安藤雅司。宮崎駿監督が前作「もののけ姫」とは対照的に、現代日本を舞台に少女の成長と友愛の物語を描く「自分探し」の冒険ファンタジーアニメ。124分。動員2352万人、興収316億8千万円を稼ぎ長く邦画歴代興収N01記録を保つほどの大ヒット。第52回ベルリン国際映画祭金熊賞、第75回アカデミー賞長編アニメ映画賞。第44回ブルーリボン賞など無数の映画賞を受賞。シネコンスクリーンを独占して他の上映作品公開に影響を与えるほどのロングラン上映。両親と共に引越し先の新しい家へ向かう10歳の少女、千尋。しかし彼女はこれから始まる新しい生活に大きな不安を感じていた。やがて千尋たちの乗る車はいつの間にか“不思議の町”へと迷い込んでしまう。その奇妙な町の珍しさにつられ、どんどん足を踏み入れていく両親。が、彼らは“不思議の町”の掟を破ったために豚にされてしまう。ひとりぼっちになった千尋は、町を支配する魔女=湯婆婆に名前を奪われ「千」と呼ばれるようになる。湯婆婆の経営する、神々のための湯屋「油屋」で働くことになった千尋は、謎めいた少年ハクや先輩のリンらに助けられながら、さまざまな困難を乗り越えていく。現代の飽食で、何もかもが与えられている(しかもバブルを通りすぎた)時代の10歳の少女の千尋に対して、戦前の日本にあったような“どうしてもそこで働かなければならない”という試練を与えている。主人公の千尋は、ほかの宮崎駿作品にある、強固な信念を持つヒーローやヒロインとはまったく違う、等身大の普通の女の子として描かれていて、10歳の少女に起こる出来事(いきなり働かなければならなくなる恐怖)を経て、こうして“嬉しい”ときに、やっと涙を見せてくれたこと……ここに、宮崎駿ならではの優しさを感じる。宮崎駿は劇中の湯屋、もっと言えばキャバクラ、もっと言えば社会の縮図のような場所を“僕の知っている世の中”として描き、そこで成長をすると、元のいたところが“違う場所”に見えることを“君たちが出て行く世の中だ”と、告げているのではないだろうか。2020年コロナ禍でリバイバル上映。しんしろまちなか映画祭2022で上映。2001年7月20日公開、AMCホリデイスクエア18豊橋。【サイズ:B2ポスター】【年代:2001年】