説明
アカザヤマカリトオル/原作:山中貞雄。脚本:三村伸太郎。監督:河野寿一。正義に燃える旗本此村大吉と市村座役者中村仲蔵の奇縁。劇中劇「定九郎」における伊達姿を仲蔵が大吉をイメージして演ずる逸話で山中貞雄原作の映画化。大川橋藏が仲村仲蔵を好演。市村座の人気役者中村仲蔵は仮名手本忠臣蔵の定九郎役をふられ趣好に苦労していた。仲蔵を励ます相愛の料亭の女将おみつ(喜多川千鶴)には両国の顔役大五郎(原健策)がつきまとう。妙見様に芸の工夫を願かけする仲蔵を易者妙見堂(薄田研二)が励ますが、彼は幼い仲蔵を捨てた実の父。悪旗本松平帯刀(進藤英太郎)の邸へ乗込んだのが大吉の仲間横井甚兵衛(山形勲)で、大吉から貰った金を使い果し強請に乗込んだのだが殺された。甚兵衛の身を案じ大吉は帯刀の邸へ向ったが風を巻くようにして行く彼の姿をふと見たのが仲蔵。大吉の姿に彼は定九郎役への暗示を得た。初日の市村座は山崎街道の定九郎で凄い人気。黒紋付に朱鞘の定九郎、それは大吉の姿にそっくり。評判にヘソを曲げた大吉は市村座に乗込んだが、妙見堂の親心に気を変え逆に仲蔵を励ます。大吉は父の死とお家改易を知らされた。小えんと共に旅に出ようとしたが、彼を邪魔する帯刀、大五郎が果し状をつきつけた。菩提寺ケ原の決闘は朱鞘一閃、大吉の勝利に帰し、大吉は小えんと新天地を求めて旅に出る。このエピソードは同じ東映で1960年東千代之助・若山富三郎、1963年片岡千恵蔵・高田浩吉コンビで映画化されている。1956年11月21日〜27日第一東映、併映「浅草三四郎」。1957年4月25日〜30日銀座東映、併映「怒れ!力道山」【サイズ:B2】【年代:1956】