39刑法第39条

鈴木京香/堤真一、樹木希林、杉浦直樹、岸部一徳、江守徹、吉田日出子、山本未来

説明

39ケイホウダイ39ジョウ/原作:永井泰宇。脚本:大森寿美男。音楽:佐橋俊彦。監督:森田芳光。「心身喪失者の行為はこれを罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減刑する」と記された刑法第三十九条をモチーフにしたサイコ・サスペンス。都内で起きた夫と妊娠中の妻が刃物で惨殺されるという猟奇的な夫婦惨殺事件。逮捕された劇団員の若者(堤真一)は、あっさり犯行を認めたが殺意を否定。やがて裁判が始まり、おとなしいはずの若者の人格は一変し、奇怪な言動を連発し始める。被害者の畑田修には過去に婦女暴行と殺人の経歴があった。15歳の頃に小学一年生の少女を惨殺したが、心神喪失を認められて罪を免れ、社会復帰していた。被害者の兄である工藤啓輔を探し当てる香深(鈴木京香)。だが啓輔は、今回の事件に興味がないと言い張った。工藤啓輔として生活している男は偽物だと見抜く香深。被告の柴田真樹こそ工藤啓輔に違いない。他人の戸籍を手に入れる為に、啓輔は巧妙に長い時間をかけ、多重人格に関する精神医学書を読み漁ったのだ。公判での公開の精神鑑定を申請する香深。日本初の多重人格を扱う裁判として、被告の柴田(工藤啓輔)の鑑定が始まった。啓輔には正常な判断力があり、そもそも妊婦を虐殺する人間ではないことを証明する香深。啓輔が敢えて逮捕された目的は、刑法第39条で罪を免れることではなく、第39条の不条理を告発する為だった。弁護士に樹木希林、精神科教授に杉浦直樹と助手の鈴木京香、俳優陣の好演もあり上質のサスペンスに仕上がる。1999年5月1日公開、豊橋松竹。【サイズ:B5 チラシ】【年代:1999年】