説明
オンナキュウケツキ/原作:橘外男「地底の美肉」。脚本:中沢信、仲津勝義。音楽:井内久。助監督:石川義寛。監督:中川信夫。新東宝初、日本初のバンパイア映画、主演の天知茂が日本最初の吸血鬼俳優となるホラー映画。監督は怪奇映画の雄中川信夫監督。一方でタイトルロールである女性の吸血鬼は登場せず、題名と内容が合致しない作品となっている。この映画の吸血鬼竹中は、天草四郎の遺児勝姫に恋焦がれる四郎の家臣、竹中信敬がその正体。天草四郎本人が吸血鬼と化すフィクションには、横溝正史「髑髏検校」がある。また吸血鬼ではないが四郎が魔人として甦る作品に山田風太郎「おぼろ忍法帖」映画化されて「魔界転生」がある。夫である科学者松村重勝と美和子(三原葉子)は20年前、放射能鉱石を踏査中に、画家竹中(天知茂)により九州の地下城塞に拉致された。竹中は天草四郎の遺児・勝姫に憧れており、その末裔である美和子を狙った。竹中は天草四郎の家臣・竹中信敬で、不死吸血鬼と化して現代まで生き延びてきたのであった。竹中は地下城に美和子を幽閉し、その裸体画を描いた。この絵は美術展で作者不明のまま特選候補となっていた。竹中はホテル極東に逗留中に月の光を浴びて吸血鬼と化し、女給を殺害。続いて美和子をモデルにした絵が盗まれたとの報が東京タイムスに舞い込むが、その絵は何者かによって松村家に届けられた。ある夜、竹中は美和子を強引に連れ出して逃走、民夫(和田桂之助)は引き裂かれた絵を見てバーの女給殺しの事件の際に入手したスケッチブックのサインと、この絵のサインが一致するのを見て、一連の事件が竹中の仕業と悟る。民夫と捜索隊は、九州に逃げた竹中を追い、遂に竹中のアジトに通じる洞窟を見つけ、攫われた伊都子(池内淳子)を救出するが、美和子はすでに蝋人形にされ、殺されてしまっていた。追い詰められた吸血鬼・竹中は月光を浴びて苦しみだし、城主もろとも地下城は爆発。民夫と伊都子は死地を脱するのだった。78分。1959年3月7日~13日豊橋国際劇場、併映「護寺院ケ原の決闘」「爆笑王座征服」。【サイズ:B5 新東宝ポスター集】【年代:1959年】