説明
99ホンメノキムスメ/原作:大河内常平「99本の妖刀」。脚本:高久進、藤島二郎。音楽:松村禎三、井内久。監督:曲谷守平。新東宝のオカルト怪奇映画の代表作。東北地方の白山部落では、十年に一度の火づくり祭が近づき、この部落では昔ながらの掟が守られていました。白山神社の宮司・弓削部(沼田曜一)は、舞草族の長である男(芝田新)から、部落の者以外は山を下りろときつく言い渡されていても頑として譲らない。彼を慕うあざみ(松浦浪路)は、部落の異様な殺気を感じ、強硬な手段で弓削部を山から下ろさせます。やがて、怪しい舞草族の祭りが始まり、老女(五月藤江)に攫われた二人の女が生贄に捧げられます。その光景を目にした二人の炭焼きの男も、その場で殺される。炭焼きの男と女給の死体が発見され、警察が祭りの行われた神社の境内を捜索すると、神殿の地下から98本の長刀が発見される。鑑定の結果、舞草太郎国永の名刀だと判明。更にいずれの刀も刃先が血でくもっており、捜査主任の阿部政之(菅原文太)は、被害者の女の死体から血が抜き取られていたことと関連があると推理。終盤は警察と部落民との全面戦争の銃撃戦。本作は物珍しさだけでも一見の価値あり。キワモノと思わせておいて、物語の土台は原作があるのでしっかり感。差別助長に繋がりかねない部落の描き方なのは問題があるにせよ、古い因習を打ち破るために、人々が血を流して勝ち取った映画と捉えれば観られる。主演はハンサムタワーズとして当時売り出しの菅原文太、ヒロインは松浦浪路だが本当の主役は老婆の五月藤江のカルト映画。2020年に日本映画専門チャンネルで初放送されて初見、面白かった。1959年9月24日~30日豊橋国際劇場、併映「死刑囚とへぼ探偵」「裸女と殺人迷路」の3本立て興行。【サイズ:B5 雑誌広告&特集上映ポスターB2】【年代:1959年】