説明
ジケン／原作：大岡昌平。脚本：新藤兼人。音楽：芥川也斗志・松田昌。監督：野村芳太郎。上姉妹で一人の青年を愛し奪い合ったことからおこった殺人事件を中心に、現代の不安な青春の姿を描く、大岡昇平原作の同名小説の映画化。単なる刺殺事件と思われた背後に、一人の青年を愛してしまった姉妹の激しい葛藤が渦巻いていたさまを裁判の過程で浮き上がらせていく骨太の人間ドラマ。神奈川県の相模川沿いにある土田町の山林で、若い女性の刺殺死体が発見された。その女性はこの町の出身で、一年程前から厚木の駅前でスナックを営んでいた坂井ハツ子（松坂慶子）であった。数日後、19歳の造船所工員・上田宏（永島敏行）が犯人として逮捕される検察側の殺人、死体遺棄の冒頭陳述から裁判が開始される。果たして本当に宏が殺人を犯したのかという疑問を含め、裁くもの裁かれるものすべてを赤裸々にあばきながら、青春そのものが断罪されていく。ポスターキャッチ「事件を追い詰める眼はいま息もつかせぬ２時間２０分へ」。ポスター序列は丹波哲郎・佐分利信・森繁久彌がスリートップ。第２回日本アカデミー賞作品・監督・脚本・技術・主演女優（大竹しのぶ）・助演男優賞（渡瀬恒彦）。ブルーリボン監督・助演男優（渡瀬恒彦）・新人賞（永島敏行）他多くの映画賞受賞。１９７８年６月３日～３０日豊橋松竹。１９７９年２月１７日～３月２日豊橋松竹、併映「八つ墓村」。
